身土不二(その2)、、、食べ物と土地と言う観点で人間の身体を考えてみましょう!

人間の身体の不思議2(身土不二)

前回の続きになりますが、あらためて、
日本の食文化と言う事で書いていきます。

日本は、本当に豊かな国です。
何かに書かれていたと思いますが、ヨーロッパに比べれば、
日本列島の自然の豊かさは歴然としています。

鹿児島に住んでいるあるアメリカ人女性は
「日本の田舎の人は、食べものに囲まれて暮らしている」
と言って、こう続けたそうです。

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海に出れば魚、貝類、海草、山へ行けば木の実、草の実、山菜。
季節ごとにいろんな食べものがとれる。
こんな豊かな自然はほかにない。周りは、食べものだらけである。

我々の先祖は、代々、
この恵まれた自然の中で得られる食べ物で生活していました。
3里四方で採れる食材だけで栄養は十分でした。
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上の発言に「海草」が出てきますが、
最近の研究では海草を分解できる腸内細菌を持っているのは、
世界の中でも日本人だけだそうです。

多くの外国人は寿司は好きでも、
海苔は「ブラック・ペーパー」と言って嫌います。
海苔の食物繊維を消化できず、そのまま排泄してしまうのですね。
日本人は海草類を食べ続けた過程で、
それに適した細菌を腸内に取り込んだようです。

日本の伝統食に関して、ある学者は以下のように結論づけています。

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私たちの先祖が大事にしてきた米、粟、麦、ソバなどは、
澱粉の供給源として非常に優れたものである。
これで十分な炭水化物と若干の蛋白質は確保できるから、
あとは蛋白質と脂肪の供給源があれば、三大栄養素は大丈夫である。
大豆はこの両方を満足させる食品である。

日本人が穀類(米とは限らない)と大豆を核とした食生活を営んできたことは
理にかなったことであった。
他にいくらかの野菜があればビタミンもミネラルも必要な量は確保できる。
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ちなみに、歴史ものなどを読んでいると、
時々、大昔の日本人の体力について感心することがあります。

戦国時代に日本に上陸した最初のキリシタン宣教師フランシスコ・ザビエルは、日本人を観察して
「彼らは時々魚を食膳に供し米や麦も食べるが少量である。
 ただし野菜や山菜は豊富だ。
 それでいてこの国の人達は不思議なほど達者であり、
 まれに高齢に達するものも多数いる」
と書き残しています。

明治初年に日本で動物学・生理学を教えたアメリカ人のエドワード・モースは、
人力車の「車夫たちは長休みもしないで、三十哩(今でいうおよそ50km)を殆ど継続的に走った」と驚きを語っています。

これに比べれば、現代日本人は、
かつてのご先祖様よりはるかに豊かな栄養をとっているのに、
これほどの体力はありませんね(笑)
また、逆に国民病とも言われるスギ花粉症などに悩まされています。

和歌山県の山村に住む医師の報告によれば、
山林労働者は大量にスギ花粉を吸っているはずなのに、
スギ花粉症の人はほとんどいないとの事です。
原因を調べてみると、山林労働者の朝食は米飯が95%であるのに、
スギ花粉症の人々は60%がパン食でした。
そこでスギ花粉症の人々の朝食をパンから米飯に変えると、
ほとんどの人の症状が楽になったそうです。

この原因として、麦は米に比べるとほとんどが輸入のため
収穫したあとに農薬をかける(ポストハーベスト農薬)ので残留農薬が多い、
パンは米に比べ食品添加物が多い、などが考えられています。

ここで話しは変わりますが、
「米を食べるとバカになる」そんな話が現実にあったそうです(笑)

現在の我が国の食糧自給率はカロリーベースで37%程度です。
「身土不二」の3、4里をぐっと広くとって、
日本人は日本列島で採れるものを食べるべきと解釈しても、
63%の輸入食材はこれに適合しません。

その一方で、昭和36(1961)年に609万ヘクタールあった国内の農地は、
半世紀後の平成26(2014)年には、
452ヘクタールと26%も減少しています。

すなわち、日本列島の豊かな農地の1/4も遊ばせておいて、
食料の6割を海外から輸入している、
という事態になっているのです。

その主な原因は日本人の食生活がパンや肉などを中心とした欧米流に
変わりつつあるからです。

米飯食からパン食に変わったのは、
それを促進した一大キャンペーンがあったからです。
昭和30年代、日本は高度経済成長のために
アメリカへの工業製品輸出を増やす必要がありました。

そのためには輸出入のバランスから、
アメリカからの食料輸入を増やすことが求められました。
食料輸入を増やせば、農村の労働力を大量に都市部に移して、
工業化を促進することができます。

アメリカとしても、農産物の対日輸出を増やすことは大歓迎です。
こうして日本人の米飯食をやめさせ、
パン食に切り替えることは、当時としては一石三鳥の政策だったわけです。

そこで日本人にパンを食べさせようというキャンペーンが
大々的になされました。
当時、大脳生理学の専門学者が米食を否定し、
それをもとに製粉・製パン業界が「米を食べるとバカになる」
というパンフレットを何十万部もばら撒きました。

さらに、朝日新聞も昭和32年9月3日の『天声人語』で、
以下のように述べています。

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胃拡張の腹一杯になるまで米ばかり食うので
脚気や高血圧などで短命の者が多い。
津軽地方にはシビガッチャキといって、
めし粒を食ったコイや金魚のようにブヨブヨの皮層病になる奇病さえある。
日本では米を主食というが、今の欧米人は畜産物が主食で穀物が副食物だ。

五十年前までアメリカの農民も穀物の方を多く摂ったが、
今では肉、牛乳、卵などの畜産物を主食にするのが世界的な傾向だ。
その点で日本は百年も遅れている。
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どう感じますか(笑)驚くべき内容ですね(笑)

こうして、嘘の内容を、「上から目線」で自信たっぷりに流布する姿勢は、
昔も今も変わりませんね(笑)

パン食推進の陰の仕掛け人であったと思われる米国の小麦協会の幹部は、
こう発言したと伝えられています。

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「いまになって日本では『米を見直す』キャンペーンを始めていることは
承知しています。
しかし、すでに小麦は日本人、特に若い層の胃袋に確実に定着したものと
私たちは理解しています。

今後も消費はふえることはあっても減ることはないでしょう。
私たちの関心はとっくに他のアジア諸国に移っています。

日本の経験で得た市場開拓のノウハウを生かして、この巨大な潜在市場に
第二、第三の日本を作っていくのが今後の任務です。

日本のケースは私たちに大きな確信をあたえてくれました。
それは米食民族の食習慣を米から小麦に変えていくことは
可能だということです。
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いかがですか、こんなことを言われているんですよ(笑)

ここであらためて、何百世代にもわたって追求してきた
伝統的な食事を考えてみましょう。

目先の経済発展政策と、「日本は百年も遅れている」
などという自虐マスコミによって、
我々の食生活自体がねじ曲げられてしまったのです。
こういう策略にまんまと載せられてしまうのは、
根拠のない西洋崇拝によって、
我々が先祖伝来の智慧を軽んじてきたからでしょう。

わが国民は、古来、飲む水、食う穀(こく)、木の芽も草の根も、すべて、
ことごとく神である、という思想をもっていました。

 水は   美津波能売神(みつはのめのかみ)
 穀物は  大宣都比売神(おおげつひめのかみ)
 木は   久々能智神(くくのちのかみ)
 草は   鹿屋野比売神(かやのみめのかみ)
などいろいろです。

われわれの遠き親たちにとって、いっさいは神であり、
その神実(かみざね)を飲み、
かつ食うことによって神々の機能を享(う)けつぎ、
生命を作り、保つのであると信じていた。

彼らにとっては、食うことは、すなわち神々の恩寵に浴し、
神々の息吹きをうけ、
神性に近づくことであると信じていたということです。

この自然観にしたがって、我々の先祖は縄文時代以来、
1万数千年にわたって、日本列島の豊かな自然との「和」のもとで、
我々の身体に最適な食事を追求してきました。
なので、以下のように結論づけています。

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「伝統的な食事は、それを満足するまで食べたときには
 栄養もちゃんととれている。
 適切な栄養の摂取ができたかどうかなど、
 いちいち考える必要がない。…中略… 
 それはなぜかというと、伝統的な食事は、一つの民族が何世代もかけて、
 どうすれば適切な栄養の摂取ができるかを追求し到達した料理の体系に
 基づいているからだ。
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ここまで読んできて、どう感じましたか。。。

もちろんいろいろな意見や考え方はあるでしょう。
何が良いとか悪いとかだけの話ではないという事です。

様々な事が操作されていたり、因果関係などもあり、
現在に至っているという事ですね。

あらためて、日本の土地を考えてみる、
現代の食生活と自分の身体について、
歴史を振り返りながら、様々な視点で考えてみるのも面白いと思います。

(今日の一言)
2回にわたり、「身土不二」という事から、
いくつかの文献などから抜き出したものを記載してみました。

いつもの私の言葉よりも、
ある意味、説得力があったのではないでしょうか(笑)
どちらにしても、土地と食べ物の関係は、必ず理由が存在します。

どちらにせよ、健康であることは、全ての土台です。
やはり、最終的には、健康でなければと思います(笑)

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